最後に
肌断食が流行るのは結構なことですが、それ以前に『なぜ肌断食なのか』ということについて考えたいと思います。
本来なら肌断食などをしなくても、普通にきれいな肌でいられる人が
『過剰なスキンケア』
によるトラブルを起こしている可能性が高いのです。
過剰な洗顔、ピーリングなどで角質を傷め、そこにたっぷりの化粧水で過乾燥を起こし、乳液やクリームで過剰な油分を与える。
これが『肌断食しなければリセットできない肌』を作っているのではないでしょうか。
必要以上の洗浄や保湿をしない。
スキンケアは過不足なく行うことが、一番重要なのだと思います。
むやみやたらにあれこれ使うのではなく、自分の肌をしっかり観察し
『必要なものを必要なだけ、しっかり選んで使う』
ことが何より望ましいでしょう。
春夏秋冬、気温や湿度によっても、その時に必要なスキンケアは変わります。
何もつけない方が調子いいと思う時があれば、そうすればいいですし、しっかり保湿が必要な状況を見極めたら、ちゃんと潤いを与えると良いのです。
人生のほとんどをアトピーと共に生きている筆者ですら、真夏の蒸し暑い日には洗顔後の保湿を控えめにします。
そんな時は、無添加石鹸での洗顔後に美容液をなじませるだけです。
冬は乾燥しますから、ガッツリ保湿モードです。
年間通して、化粧水の使い過ぎは肌を乾燥させる要因になります。
洗顔後の肌を、いち早く弱酸性に戻すのが化粧水の役割と考え、さっとなじませるようにするだけで十分です。
肌断食をして肌が健康になったと感じる人は、過剰なスキンケアで肌が異常を起こしていたのだ、ということに気づくはずです。
そうすれば、スキンケアに対する考え方も変わるのではないでしょうか。
石油からできた界面活性剤が毒で、油脂からできた石鹸は無害。
…という考え方も、実はおかしな話です。
石鹸も苛性ソーダという劇薬を使って合成される、合成界面活性剤の一つ。
石油からできた界面活性剤にもいろいろな種類があり、中には石鹸よりも脱脂力の弱い洗浄剤もあるのです。
試しに石鹸で落とせるメイクを、マイルドな洗顔料で洗ってみてください。
…きれいに落とせないことがあります。
洗顔における肌ダメージについては、石鹸も合成界面活性剤も変わりません。
どちらもこすりすぎや洗いすぎにより、肌のバリア機能を壊してしまいます。
石鹸だから大丈夫…という思い込みにも注意が必要なのですね。
保湿に使われる合成界面活性剤は毒。
…肌断食の提唱者の第一人者もそうおっしゃいますから、誤解があるのも当然です。
保湿に使われる合成界面活性剤は『乳化剤』であり、脱脂力はほとんどありません。
また、保湿成分として最優秀候補のセラミドは、肌のラメラ構造を構築するために合成界面活性剤を必要とします。
また、保湿に使う合成界面活性剤は、肌に蓄積などしません。
肌表面にある酵素で分解されてしまうからです。
発がん性があるとか、お肌のバリアを壊すと聞くと怖くなりますよね。
でも、冷静に考えてみると。
肌からの吸収でがんになるのであれば、みんな皮膚がんになります。
私たちのお母さんやおばあちゃんは、今よりも規制の緩かった昭和の時代に、色んな化粧品を使ってきている筈。
皮膚がんになる人がそんなにたくさんいますか?
合成界面活性剤や石油系化学合成保湿成分はアレルギーを起こしやすい。
これはむしろ逆です。
天然の植物エキスなどの方が、よほどアレルゲンになります。
植物エキスや蜂蜜エキスなど、成分構成が複雑なものはアレルギーになる原因を突き止めるのも大変です。
小麦アレルギーが問題になったお茶の石鹸も、天然由来の成分が災いしたことでしたね。
肌断食でワセリンが推奨されるのは『アレルギーを起こす可能性が、限りなくゼロに近い』からです。ちなみにワセリンは石油由来の成分100%です。
ホホバオイルや馬油やスクワランよりもワセリンのほうが、アレルギーリスクが少ないのです。
合成界面活性剤については、色んな考え方もあります。
有害、無害を一言で片づけることは不可能です。
が、これが悪いと決めつけるよりも、使い方に間違いがないかを考えましょう。
肌断食はそれを知る良いきっかけになると思います。
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