家に帰るとまっしぐらにゲームに向かい、勉強もしないし、ご飯の時間になってもゲームをやめようとしない。夜は遅くまでゲームに熱中し、朝起きられなくなる子供。
『どうにかしてゲームをやめさせたい、せめてゲームする時間を減らしたい』
しかも最近はポケモンGOなんかもあるので、お母さん、お父さんの悩みは深刻です。
そこで今回は、子供たちのゲーム問題について、様々な観点から考えてみることにしましょう。
● なぜゲームがやめれないの?
● ゲームが脳に影響を与えるってホント?
● 子供にゲームをやめさせる方法がある?
といったことについて、お伝えします。
なぜゲームがやめれないか
この答えはいたって簡単です。それは、面白いから。
子供だけではなく、大人でもゲームがやめられない人がいますよね。
休みになったら自宅でゲーム三昧、通勤時間を使ってスマホゲーム、ご飯を食べながらもゲーム、待ち時間もゲーム…
大人でさえドップリとハマる…それは面白いからにほかなりません。
外食に出かけた先で、食事もちゃんとせずゲームにいそしむ子供の姿。
『走り回ったり騒いだりしてないんだから、ま、いっか』
とばかりに黙認している親御さんはいませんか?
ゲームに子守りをさせていませんか?
勉強も宿題もせずに、ゲームばかりやっている子供。
ただやみくもに『やめなさい』と言っても聞きません。
ロールプレイングゲームやシュミレーションゲームの中には、一つのステージをクリアしなければセーブできないようになっているものもあります。
途中でやめたら、始めからやり直し。始めからやり直すのはイヤだから、子供はゲームを続けます。
お友達と通信しながらゲームをやっていれば、相手がやめない限りやめられません。
一日に1時間だけ…と約束して買い与えたはずなのに。
1時間が2時間になり、3時間になってもやめず、ついには1日中…
なんでこんなことになるんだろう。
もう一度言います。
ゲームは面白いです、楽しいです。
ひとつのゲームを全部クリアしたときの達成感は、大人でさえも満ち足りた気分にさせてくれます。子供なら尚更、達成感が刺激になります。
とくに難易度の高いステージを攻略したときの達成感は、高揚感を伴います。
ゆえに更なる達成感と刺激を求めて、次のステージや他のゲームに邁進するのです。
そこには脳内で起こる現象がありました。
ゲームに熱中してしまう背景には、脳内で働くドーパミンが関係しています。
次では、ゲームがどのように脳に影響していくかを説明していきます。
ゲームの脳への影響とは?
ゲームが脳に与える影響については、賛否両論がついて回ります。
適度な時間、ゲームをすることについては
・前頭葉や海馬を使うことによって、記憶力が強化される
・3Dゲームをすることで空間認識能力がアップ
・複雑な画面において細かい所を見逃さないので、注意力が向上する
…などといったポジティブな研究結果が出ています。
が、しかし、ここで注意したいのが
『適度な時間ってどれくらい?』
ということです。
これは研究した人によって、適度な時間がマチマチです。
15分という人もいれば、いや30分と言う人もいて、どれが適度なのかよくわからないのですが。
ひとつ言えるとすれば
『適度な時間(あくまで短時間)ゲームを続けて行くことは、脳にとって良い影響がある』
ということ。
逆に言えば、長時間のゲームは良くないということです。
特に子供の継続的長時間ゲームプレイは、脳に悪い影響をもたらします。
言語的知能の低さとゲーム時間は比例しており、3年後の追跡調査でも、よりその傾向が強まっているという研究結果があります。
さらに怖いのが、毎日長時間ゲームを続ける子供の脳では、認知機能や記憶、意欲にかかわる前頭前皮質や海馬の領域に発達の遅れがみられる…という、先ほどのポジティブ研究結果と全く反対の結果が出ているということ。
これって、何かに似てると思いませんか?
大人の飲酒です。
適度な飲酒は食欲を増進したり、スッキリ楽しい気分にさせてくれたり、ストレス解消にもなるものです。酒は百薬の長という言葉もあれば、長寿をもたらしてくれるものでもあります。
その一方で、継続的大量の飲酒は生活習慣病の原因になったり、肝臓を悪くしたり、脳が委縮したり、ついには依存症になったりします。肝硬変などで早死にすることもあります。
一つの物質が、毒にも薬にもなるというのは、ゲームにおいても同じことなんですね。
飲酒にもゲームにも、また覚せい剤やニコチンにも関係しているのが、先ほど少し取り上げた
『ドーパミン』です。
ドーパミンは神経伝達物質のひとつで、達成感や幸福感、快感、意欲などをもたらします。
これ自体は人間が生きて行く上で、必要不可欠なものです。
が、過剰になってしまうと依存性をもたらすのです。
ゲーム依存症は、アルコール依存や薬物依存と全く同じものなんです。
食事や睡眠といった生存本能より大事になる、という点でも同じですね。
長時間ゲームをして、難しいと思われるステージを攻略すると、大量のドーパミンが放出されます。一気に放出されるドーパミンで得られる快感は、アルコールや薬物に匹敵します。
だから、大の大人でもやめられないのです。
むしろ、子供がやめられなくなるのは当然ともいえますね。
そしてそのうち、気づいた時にはやめたくてもやめられない、ということになってしまうのです。
それって、子供にとって不幸ですよね?
親にとってももちろん不幸です。
が、将来ある子供にとっての不幸はさらに深刻です。
ですから、依存症が悪化する前に対策を講じる必要があるのです。
次では、どうやったら子供がゲームをやめるようになるのか、その方法について考えていきましょう。
子供がゲームをやめてしまう方法を紹介!
子供がゲームをやめないのは、脳がゲームに支配されているからです。
ゲームで遊んでいるつもりが、ゲームに支配されている…
この状況を打破しないことには、ゲームをやめさせることは出来ません。
かといって、夢中になっているゲームをいきなり取り上げても、子供はなかなか言うことを聞かないでしょう。
それに『適度な』ゲームの使用は、脳にいい影響をもたらすとも言われていますから、上手に使うことを指導したい部分もあります。
そこで提案するのが
『約束事をきめて、きちんと守らせる』
ということ。
空いた時間を全部ゲームに費やす。
睡眠時間や食事の時間も削ってゲームに没頭する。
そんな癖がついてしまっているのは、約束を『守らせていない』からです。
約束を守らせない、約束を破る…ということを許してしまっているのは結局親の方なんですね。
まずは、子供と話し合い、ゲーム時間について約束を取り決めます。
・1日に30分以内でやめる。
・平日は30分以内、休日は1時間まで。
・平日はゲームをしない、土日は1ステージクリアするだけならやっても良い。
・クリアできなかったらその時点でやめる。続きは明日にする。
などなど、ゲームの内容によって、セーブできるポイントでやめさせるのか。単純に時間だけでやめさせるのかを決め、約束を交わします。
こういった取り決めをすることで、子供の集中力が高まります。
漫然とゲームをさせるのではなく、やる以上は真剣にやらせるんですね。
それから、約束を破った時のペナルティを決めます。
・約束を守らなかったら、ゲーム禁止一カ月
・約束を3回破ったら、ゲーム機処分。
毅然とした親の態度が必要です。
約束を守る、ということの重要性を子供に教え込みましょう。
また、ゲーム以外にも熱中できる遊びを考えさせることも大切です。
ゲーム以外にも面白い事があれば、子供はゲーム漬けにならずに済みます。
外に出て走り回ったり、スポーツをやったり、機械を使わないゲームを考えたり。
単に我慢させるよりも、他のことに目を向けさせましょう。
もし仮にこれでもやめなかった場合の裏技です。
下のツイートをみてください。
(続き)そこで先輩が「ゲームの時間は無制限」「ただし1日☓匹ゲットをノルマ」「結果報告は毎日義務」「義務を怠ったら叱責」という方針に転化。最初は息子さんも大喜びだったらしいけど、休日も「ほら! まだポケモンやってないぞ!」と言われるうちに徐々に飽き、無事サッカー少年に転向したとか
— たざわ (@coyo54) June 18, 2015
そうなんです、最終手段はもう禁止しないということです。
禁止すると人って逆にしたくなる場合がありますし、捕まえる事も義務化して、
ノルマを課し、仕事や勉強と同じような位置付けに変えてしまえば、
ゲーム自体が苦痛になってくる可能性があります。
いかがでしたか?
ゲームがやめられない理由、脳への影響。
ゲームの有効性と依存性。
これらをはじめに親が理解して、ゲームを拒絶するのではなく、コントロールすること。
そうやって、ゲーム依存を回避することが一番重要であることがお分かりいただけましたでしょうか。
今日からぜひ、子供さんと二人三脚で取り組んでくださいね。
コメントを残す